2025年3月18日
2024年度実証検証レポート②「AIによるエネルギー消費量最適化支援システムの研究開発事業」
IoTによる電力使用量の可視化とAIでの省エネ提案を実現
盛岡の製造業を支える電力使用の効率化と環境負荷低減への挑戦
昨今、電力料金の高騰が続いており、特に電力消費量の多い製造業では、経営への影響が深刻化しています。また、企業が電力消費を抑え、二酸化炭素の排出量を削減することは、持続可能な社会の実現に向けた重要な責務となってきています。本取り組みでは、IoTセンサーとAIを活用し、電力使用データを可視化・分析することで、従来の経験則に頼らない客観的な省エネ施策の提案を実現しました。さらに、電力消費量と二酸化炭素排出量を連携させることで、企業が環境負荷低減の具体的な目標を設定しやすい仕組みを構築しました。IoTとAIを活用し、電力の効率化と環境負荷の低減を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
注目を浴びる企業における電力効率化
電力価格の高騰や、気候変動による環境問題が深刻化する中、企業にとって電力の効率的な利用と節電への取り組みが重要な課題となっています。特に、製造業など電力消費量の多い業界では、電気料金の上昇が経営に直接的な影響を及ぼしており、省エネ技術の導入が急務となっています。また、企業が環境問題に対応し、二酸化炭素の排出量を削減することは、持続可能な社会の実現に向けた社会的責任でもあります。
企業にとって電力効率化は、コスト削減と持続可能な社会への貢献の観点から、経営戦略上ますます重要な要素として注目されています。
企業における電力効率化の現状と課題
現在、様々な企業で電力効率化の取り組みを行っていますが、依然として多くの課題が存在しています。その一つはリアルタイム性の不足です。
電力使用状況を即時に把握できないため、どの工場機器を使用した時に電力が多く使用されたかなど、無駄な消費を見過ごしてしまうケースが少なくありません。
また、データ分析が人力に依存している場合、膨大なデータを効率的に処理できず、迅速な改善策の立案が難しい場合もあります。データを収集・可視化できていても、専門的な知見がないため、具体的な省エネ施策を立案できないこともあります。さらに、電力消費の影響が二酸化炭素排出にどのように影響するかを正確に把握できず、環境負荷低減に向けた具体的な目標設定が困難である点も課題です。これらの課題を克服することは、コスト削減や環境負荷軽減に向けた大切な一歩になります。
エネルギー消費量最適化支援システムにより電力効率化を目指す
これらの電力効率化の課題に対して、本取り組みではIoTとAIを活用した電力管理を行う「エネルギー消費量最適化支援システム」を構築しました。このシステムでは、IoTセンサーを活用して電力使用状況をリアルタイムに収集し、各機器や設備ごとの電力消費を即時に把握・可視化できます。また、収集した電力使用状況のデータをAIが自動分析し、膨大なデータを効率的に処理。AIが具体的な省エネ施策を提案し、迅速に施策を実行できるようにしました。
さらに、電力消費量と二酸化炭素排出量を連携させる仕組みを構築しました。電力使用が環境に与える影響を定量的に示すことを可能にし、企業が具体的な環境負荷低減目標を設定しやすくしました。
このエネルギー消費量最適化支援システムを実証実験を通じて、電力効率化の効果と環境負荷低減への寄与の有効性を確認します。
電力消費抑制に寄与することを証明
実証実験として、盛岡市内の製造業3社に対してエネルギー消費量最適化支援システムを導入し、その有効性を検証しました。実証実験の結果、 AIの分析結果と、エネルギー管理の専門家が同様のデータで分析した結果の一致率が95%となり、このシステムの高い精度が確認できました。また、設備の稼働スケジュール最適化提案や、電力消費ピーク時にアラームを鳴らし、不要に電力を消費している機器を停止するといったAIにより提案された省エネ施策を実際に実施した結果、参加企業の電力使用量を平均10%削減することに成功しました。これは、年間約50トンの二酸化炭素排出量の削減に相当します。
さらに、エネルギー使用量と二酸化炭素排出量を連携した分析により、環境負荷を定量的に把握することが可能となりました。これにより、参加企業は具体的な環境負荷低減目標を設定しやすくなり、環境意識の向上にもつながりました。
今回の実証実験を通じて、エネルギー消費量最適化支援システムの有効性が確認され、このシステムが製造業における電力効率化と環境負荷低減の推進する有力な手段となることが示されました。
事業に対する思い
株式会社AtoZテクノロジ 代表取締役 張精様
電力価格の高騰や環境問題が深刻化する中、私たちはIoT技術とAIを活用して電力消費の無駄を削減し、環境負荷の低減を実現できると信じています。
今回の取り組みでは、電力使用状況のリアルタイム可視化や効率的な省エネ施策の提案を実現しました。今後も、企業のコスト削減だけでなく、環境負荷の低減を支援し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。この取り組みが広く普及することで、より良い未来を築く一助となると確信しています。