MULTI MONO Morioka

お知らせ

2025年8月29日

2025年度 第1回セミナーが開催されました!

 8月27日(水)第1回セミナーを開催いたしました。参加者は会場参加者59名、オンライン参加者14名、合計73名。セミナーの冒頭には主催者の盛岡市商工労働部ものづくり推進課課長・鈴木健二様による挨拶、次いで今年度受託企業の株式会社IBCソフトアルファの蔵本が『盛岡市AI・IoTプラットフォーム事業』の概要の説明を行いました。

 第一部の基調講演:講師は清水建設㈱のDXエバンジェリスト・及川洋光様です。司会者からも紹介がありましたが、盛岡市で毎年11月に開催されております。学生向けのイベントであるデジコンの講師を長年担当されております。

 講演の中では 現状からありたい姿を想像し、その理想形から一旦戻って(バックキャストすると表現)考えるというアプローチの大切さを言われておりました。

 また、清水建設様で今推進中の、『NOVARE(ノバーレ)・温故創新の森』の取り組みの紹介があり、近未来のオフィスのあり方など具体的事例のご説明がありました。さらに清水建設様のオフィス内に配置されている植栽へどのようにして水やりをするのか?植物が自ら「のどが渇いた」と教えてくれる、そんな植物との共存関係が成り立つようなことが既にできつつあるという驚きの事実も紹介されました。

 全体を通じて、DX時代にイノベーションによる変革が様々なシーンで可能になってきているなかで利便性だけを重視するのではなく、そのことの存在価値、『意味性』について考えていくことの重要性を強調されていました。

 基調講演の2つ目は、appcycle㈱の代表取締役藤巻圭様の『すべてが循環する~エシカル合成皮革 RINGO-TEX®を通じて産学官金さらには農福連携による社会課題の解決と地球環境への貢献』と題しまして講演をいただきました。

 青森市のご出身で最初は美容関係のお仕事に従事、東京でのビジネス展開で大きな成果をあげた後に、郷土の青森で何か貢献できることはないかと考えて、2022年にappcycle㈱を起業されました。スタートはリンゴに注目し、廃棄りんごを活用することで青森県のりんご産業への利益の還元と循環する仕組みを構築されてきました。

 ワールドワイドではレザー(皮)業界においては、動物由来や石油由来のものは歓迎されずに、植物由来のものにシフトしてきている現状をとらえ、東北大学や弘前大学との共同研究の成果として、りんごジュースを絞った後の残渣(ざんさ)が全体の30%くらいの量になり、そのほとんどが焼却されているという現状を改善する循環型ビジネスモデルを構築することに成功されたそうです。

 実際のエシカルレザーとしての製品化は、航空機(ANA)やバス(弘南バス)のヘッドレストカバーとして採用されています。ファッションの世界でもバッグや帽子として海外ブランドにも採用されるような大きな広がりを持ってきているそうです。

 藤巻様の経営ポリシーとしては、人・物・金・情報の他に『大義』という言葉を大事にされているとのことでした。なんのために存在するのか、なぜやるのか、どうやるのか、何をするのかを常に問うているとのことです。

お二人の講演の後に、本セミナーの共催として参画されている一般社団法人 組込みシステム技術協会理事、ビジネス交流委員長の大和靖博様から組織の概況や活動の詳細をご紹介いただきました。

あっという間の 3時間が経過しました。

M3プロジェクト事務局にてアンケート結果など集約しておりますので別な機会にご報告できるようにいたしたいと思います。

セミナー終了後には懇親会も行われ、約30名の方が情報交換を行い親睦を深めました。