MULTI MONO Morioka

活動紹介

2023年4月3日

実証実験レポート③「教育事業におけるメタバース(仮想空間)の有効性実証実験」

 

盛岡では体験できないマナビを世界から取り入れる
地域の人々の活躍の場を拡げ、教育事業の可能性を探る

「盛岡を今よりもよくするために何ができるだろうか?」「今あるカルチャーセンターのような施設ではなく、盛岡の人たちの成長と知識の蓄積ができる場所があったらどうだろう」その思いを形にしました。
株式会社NTTコノキューが提供するXR空間プラットフォーム「DOOR」を用いて、マナビの空間をメタバース(仮想空間)に展開し、フィールドを拡大。盛岡の講師がメタバース上で講座を開講、生徒が講座を受講できるシステムを構築。
メタバースを通じ、盛岡市内から世界にマナブとオシエルをつなげます。

 

 

盛岡から世界中とつながるマナビ
盛岡でマナビの場を提供するチャバタケdoors。もっと多くの人に、もっと多くのことを学べる場として着目したのがメタバースです。
新しいマナビの場として、株式会社NTTコノキューが提供するXR空間プラットフォーム「DOOR」を使い、インターネット上に3次元の世界「メタバース」を構築。
先生や生徒はアバターと呼ばれる自分の分身を介して、メタバースの中を自由に動くことが可能です。
県土の広い岩手県のどこでも、さらには日本中、世界中のどこでも講座を開講・受講でき、マナブとオシエルをつなげます。

 

世界中と自由なコミュニケーション
盛岡には貴重な経験や知識を持ち、活躍している講師が多数います。
ただ、現在のカルチャーセンターのような場では、近郊の生徒しか受講ができず、講師も生徒も活動範囲に制限があります。
メタバースで行う講座は、インターネットに接続できれば、岩手県内だけでなくどこからでも受講することができ、講師の活躍の場を拡げることができます。
また、メタバース上のコミュニケーションはアバターを介して行うため、年齢も性別も関係ありません。
現実より自由でフラットな関係性を築くことができます。

 

社会問題の解決に
現在、不登校やひきこもりが増え続けており、社会問題になっています。
メタバースで行う本事業は、そういった方の社会復帰に役立つと考えています。
自宅に居ながらメタバースの世界に入り、現実世界より気軽で自由なコミュニケーションを取ることができます。
不登校やひきこもりの方が、このメタバースを社会や人とつながる場の一つとして活用することで、社会復帰支援へとつなげていきます。

 

中学生向け歴史講座を開講
メタバースならではの良い関係性

講座を受ける教室として、南国の開放的な空間をメタバース上に構築。中学生を対象に歴史講座を開講しました。
受講者はメタバース上での自分として、男性や女性のキャラクター、ロボットなど様々なアバターから好みのキャラクターを選んで受講します。
アバターを介して教室内を自由に移動し、自分が見やすいと感じる場所で講座を受けたり、講座の合間には教室の外に出て、南国の雰囲気を感じながら、受講者同士でコミュニケーションを取ったりしていました。
講師と受講者がフランクに会話を交わしながら講座が進んでいったのが印象的で、年齢や性別などを感じさせないメタバースの世界ならではの講座の形でした。
また、受講者が中学生と年齢が若いため、メタバースを上手く扱えるか不安な点もありましたが、実際は大人以上に上手に使いこなしており、若い世代にこそ親和性が高いようにも感じました。
中学生向けの講座を通じ、メタバースの良さである講師と受講者のフラットな関係性や、盛岡にいながら南国の開放的な雰囲気で講座を受けられるなど、今後の発展を感じられる内容でした。

 

実証実験から見えてきた課題も
「経験が豊富な講師も、メタバースでの講義はまだ慣れていない。出席の確認や質疑のルールなど、メタバースに合わせた運営を今後整えていく必要はある。また、メタバース上での自分の分身であるアバターの種類を増やし、受講者の好みに合うアバターを選べるようにすることで、よりメタバースでの講座にのめり込める環境を準備したい」と担当の方は述べていました。

 

事業に対する思い
株式会社doors 代表取締役 八木禅

  • どんな人でも同じ経験ができる空間があればいいのにという思いが、この事業を始めるきっかけでした。
    様々な理由で学校に通えない子どもが、学校に通う子どもたちと変わらない、もしくはそれ以上の学習ができる機会を、メタバース上で提供したいと思っています。
    また、教育だけでなく、医療など他の分野と組み合わせて町のような構造が作ることができたら楽しいのではないかなど、色々な可能性が見えてきたと感じております。